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質問4:

最良の治療法とは何なのでしょうか

 Bleck(1984年)は、神経発達治療法(N.D.T.)における理学療法の脳性まひの子供への有効性を判定するために行った調査について言及しています。この珍しい調査の対象となった子供は47人で当時全員が6才以下でした。彼らは無作為に三つのグループに分けられ、第一のグループはN.D.T.の理学療法を12ヶ月受け、第二のグループは12ヶ月間全く受けず、第三のグループは後半の6ヶ月のみ受けました。その後一年間の追跡調査の結果によると、理学療法を受けた子供と受けなかった子供のあいだに目立った違いは何も見られなかったとのことです。

 この調査が行われた当時、N.D.T.の理学療法は原則として「プルアウト」方式で実践されていました。つまりそのためだけの時間を設け、生徒を個別に連れ出して医学治療室といった人工的な環境でセラピーを行っていました。これには、そこで覚えられた動きのパターンが他の環境にも適用され、機能的活動のなかで自動的に使われるようになるとの考えが前提がありました。しかしKarl BobathとBertha Bobathは、たとえ運動技能が向上してもそれが日常生活に応用されないことに気づいて以来N.D.T.方式を重要視するのをやめ、今ではセラピストは生徒に必要な機能的活動の課題分析をし、家庭や学校といった自然な環境の中で子供が活動を行う時にセラピーを提供するべきだと主張しています(Scrutton、1984年)。

 Campbell(1987年)も、日常生活全体に運動技能の練習を組み入れるべきだという考えに合意しています。彼女は、生徒が一日のうちのある時間帯に「運動プログラム」を受け、また別の時間帯に他のプログラムを受けるのが当たり前となっている状況を指摘し、基本的な運動技能は、意志伝達、自己管理、就労、娯楽、勉強などあらゆる学習の場面に必要とされると述べています。

 要するに最良の治療法とは、現在かつ生徒が公的教育を終えた将来において、生徒、両親、地域社会に対し、より質の高い、より機能的な生活をもたらすものなのです。
                                


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