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MOVEセミナー in 長崎
(株)シーズさんのコーディネートで行われた今回のセミナーは、シーズのスタッフを含め、養護学校教諭、OT・PT、言語療法士、音楽療法士の方など36名が受講されました。参加者からの感想をご紹介します。
 


◆◇◆MOVEセミナーに参加して◆◇◆

     長崎養護学校教諭  佐々木 光洋 (2000年8月 長崎のセミナーに参加)   
                        

 私が肢体不自由の養護学校に勤めて6年が経つ。6年を経て実感することはこの教育の奥深さと難しさである。私がよく悩むことの一つに、医療がベースにあるような子ども達の教育はどうあるべきかということがある。呼吸障害や体温調節機能障害、けいれん発作等常時、健康管理が必要な子ども達の教育とは何か。私はつい最近まで、これに対する明確な答えを持っていなかった。というのも例えば呼吸状態が不安定な子どもがいたとする。私はこの子どもが早く呼吸が楽になって学習活動に取り組める様に、呼吸介助や排痰、姿勢変換等呼吸を安定させるためのことをできる限り行う。しかし、それだけで授業が終わってしまうことが続く。確かにそれによって呼吸が楽になり、その子どもはまわりからの働きかけを受け止めやすい状態になった。呼吸訓練を続けることで呼吸する力を身に付けた。或いは呼吸訓練を通して、教師(人)とのやりとりをした等とあえて教育的な意味を探ることもできる。けれどもそこで教師でなければならない事は何なのか。
 私はそんなことを考えていた時、MOVEと出会った。その時、私に抜けていたもの。それは何の為にするのかということである。すなわち、呼吸が楽になった、ではその先にあるものは何か。その子の生活の中で今行っていることがどのように活かされているか。一人の人間として自分の人生を生きていく上で、どんな意味をもたらすのか。将来の生活を考えた時、学校教育として行わなければならないのものは何かという視点である。それを学校教育の時代に支援していくのが教師の役割ではないか。MOVEの話を聞くうちに、自然とそんな思いにかられた。
 MOVEが言う「ありのままに受け入れる」という言葉を聞いた時、私は子供を一人の人間としてありのままに受け入れるというよりも、ともすれば障害に目を奪われ、障害のみをありのままに受け入れていたのではなかったか、という気がした。それから私は遅まきながら子どもの生活(学校だけでなく、今だけでなく)や、人として生きるということを考えながら、教育内容を考えるようになった。
  また、今回セミナーに参加し、MOVEを通して、当事者について他の職種の方と話す場を共有できたことは大きな収穫であった。更に、MOVEが当事者中心のチームアプローチのなかで、生活の視点に基づいて行うプログラムである事をセミナーで具体的に確認する中で、これからの障害児教育が目指す方向と共通するものを感じた。私に大きなヒントを与えてくれたMOVEに感謝するとともに、今後も子どもの希望や夢の実現に向けて実践を深めていきたいと考えている。MOVEは実践してこそ語れるものだと思うので。
(注:2001年より、MOVEセミナーはMOVEベーシックプロバイダートレーニングと名称を改めました。)
 
                           
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