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涼しくて快適な那須の地でアドバンス・コースを受講することができました。4日、会場へ着いたとき、6月にベーカーズ・フィールドでのベーシック・コースやスクール見学、そして買い物や食事でもご一緒した見覚えのある面々に再会することができました。ベーシックを受けてすぐ、このアドバンス・コースを受講した動機は、ベーカーズ・フィールドで一緒だった愛徳整肢園の岡安ドクターが、MOVEのトップダウンの考え方がきっと私の装具診療に役立つとすすめてくださったことにあります。この2回を受講して、自分なりにこれからやれそうなことが明確になってきたように思われます。
私の仕事では、運動発達の遅れが著しい脳性まひのお子さんにハンドリングや上肢機能評価、摂食や言語へのプレセラピーなどを処方、指示していますが、施設の持つ戦略財産には限りがあります。いったん外来での機能訓練を始めるや18歳まで、今や成人しても訓練が継続され、また親御さんも希望されます。私自身はリハビリテーションのゴールは社会参加であると考えているので、義務教育が始まれば、体のリズムを整えること、教育や友達づくり、行事参加などが最優先事項のように思われるのです。外来機能訓練などはほんの下支えでよいと思います。しかし、訓練をいつ止めるかという議論が日本ではなされません。ブレック*は7歳くらいまでと明言します。たしかに神経発達学的に基本的運動能力が一応の完成をみるのはこのころであろうと、経験的にそう思われます。ちょうどお子さんが学校へあがる年頃です。とすれば、子どもにとっての社会である学校生活こそを、リハビリテーションのゴールと考えていいのではないでしょうか。
訓練にかけるエネルギーを減らしたとしても、一日の大半を学校で過ごすのですから、学習のための姿勢保持や遊び合えるための自助具や装具がそこで適切に用いられることこそ肝要だと考えます。そうした意味から、学齢になったら神経発達学的な進歩を望むより、今、あるいはこれから必要とされる具体的動作をまず設定して、トップダウン的に介入、援助していくのが最適でしょう。その強力な“教育”手段としてMOVEを位置付けてみたいのです。
私が夢見ているのは、もう少し時間に余裕ができたら?その予定ですが?、隣接の養護学校でMOVEの考え方を少しずつ定着させていきたいということと、当施設内にお預かりしている重症心身障害児の変形・拘縮の進行を24時間体制で予防する戦略です。早く手術がお役目御免にならないかなあ・・・。
(愛知県青い鳥医療福祉センター 岡川敏郎Dr)
*ブレック(E. E. Bleck)・・・MOVEカリキュラム5章(5−2)をご参照下さい。
5月からの暑さがそのままに梅雨に、そして猛暑は残暑まで続いた今年。仕事でご家庭を訪問しながら、「ぼちぼちいきましょ・・・」が市民の方々との合言葉になる中、ひげ工房の村上さんから大阪でのMOVEベーシック・トレーニングにお誘いいただきました。アットホームな雰囲気がとても楽しく、夏の暑さを熱さに変身、続けてアドバンス・トレーニングにも参加した私です。
“リハビリテーション”(子どもさんにとっては、ハビリテーション)が、“機能訓練”の代名詞である日本では、サービス提供者のこの雰囲気が、利用者のみなさんの生活の「・・・ing」を妨げていることも少なくないんですネ。生活ニーズは「手足が動く」「形が識別できる」ことではなく、もっと具体的なご本人やご家族からの「自転車に乗りたい」「お好み焼きを食べに行きたい」等ですね!そして、これらを実現するには・・・という発想からそのニーズの作業(課題)の分析を利用者と一緒に、そしてそのHow
toを探しながら進めてゆく、ということでしょう。
MOVEには、これがしっかりあり、どんどん暮らしの豊かさを保障してくれる。お風呂、どうやって入ろう?という身近なことから、暮らしそのものをどうしようか?に広がってゆく。例えば、動物園にいってみたい!一瞬でも柵につかまって車椅子から立って、少しでも近づいて大きなゾウを見たいって。じゃあ、どんな椅子がいいかな?この時だけは下肢装具が要るかな?柵は握りやすいかな?次に動物園にきた時は、みんなと同じようにキリンも近くで見たいな?とかネ!動物園に限らず地域の様々な所で色んな気持ちを実現できるはずなのに・・・。
こんなふうに子供さん、ご家族の声(ニーズ)を伺いながら、こんな方法はどうかな?と意見を出し合えるチーム活動を・・・MOVEにはそんな期待をよせています。
(日本リハビリテーション工学協会作業療法士 稲葉 耕一)
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